福岡地獄大喜利-跡地-

福岡地獄大喜利のアーカイヴと、たまに大喜利。

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僕とカイロ料理の思い出

kairo.jpg


ホッカイロ。
寒い季節に体を温めるための消耗品であり、
日本国内で長らく愛され続けているロングセラー商品である。

僕がカイロ料理にであったのは1996年の夏。
当時勤めていた会社の営業で、単身札幌に出張に行ったときのことであった。

得意先をひと通り回り、さてホテルへ帰ろうかとひとまずは考えたが、
せっかく札幌まで来たんだ。ここはひとつススキノまで足を伸ばそうじゃないか。
と、ススキノ方面に向けて僕は歩き出したのであった。

なるほどさすが日本有数の歓楽街。
賑やかなもので、数歩歩みを進めるたびに客引きが笑顔で声をかけてきた。
そのうちの1人の言葉に僕はふと立ち止まった。

「お兄さん、2円でいいよ。」

2円でいいのかと驚きながらも、僕は男の案内する方へ歩き出した。
今思えばおかしい話だ。2円でいいだなんて。
でもその時の僕は、まるで催眠術にでもかけられたかのように、
男の導くままに雑居ビルの一室へと足を踏み入れたのだった。
その刹那・・・!
ボカッ!
後頭部に鈍い痛みが走り、僕の意識は遠くなっていった。

・・・

どれくらいの時間が経ったかはわからない。
ズキズキという頭の痛みと寒さで目が覚めた。
ぼやけた視界がだんだんとクリアになってくると、
今自分がいる場所が夜の草原であると気づいた。
僕の衣服はすべて剥ぎ取られ、生まれたままの姿だ。
さすが夏場でも夜の北海道は寒い。

ふと周囲を見回すと、黒ずくめの男たちが数十人、
いや、数百人、いやさ、数千人はいたであろうか。
僕はその中のひとりに勇気を出して聞いてみた。
「ここはどこだ」
すると黒ずくめの男は答えた。
「十勝平野だ」
なるほど広い。
広い広いとは聞いていたが実際の十勝平野は
なるほど広かった。

「シチューを食べろ」と言われ、
シチューを渡された。
殺されると感じた僕は、食べるふりをしてバレないように草原にこぼした。
しかし、アリがすぐにたくさん寄ってきてバレた。
アリは死んでいなかったので、どうやら毒などは入っていなかったらしい。
そのシチューを作ったらしき女が、離れたところでしゃくりあげながら泣いていた。
悪いことをしてしまったなと思った。

その様子を見ていたのか、黒ずくめの男たちの奥の方から
白ひげをたくわえた身の丈4メートルはあろうかという巨老人が現れた。
「客人。どうやらおたくさん、あたしらを疑っているとみえる。
 疑うことはない。怖がることはない。ほれ。ホッカイロじゃ。お食べんさい。」
僕はホッカイロを食べた。
それは今まで食べたどの料理とも違う味で、
また同時に今まで食べた全ての料理と同じ味でもあった。
宇宙は原子を包括し、
原子もまた宇宙を包括する。
万物は流転し、
また永久にその場に留まったままであるし、
敦煌上空の積乱雲から零れた涙が
遥か遠く南米の地層に眠るカムイの揺り籠を満たす事だって、ある。
我々は繋がっているからこそ、どうしようもなく孤独であるのだが、
同時に孤独であるからこそ、狂おしいまでの「ひとつ」であれるのだ。

気がつくと僕は帰りの飛行機に乗っていた。

「北海道」を「ホッカイロがなまったもの」とする説があるらしい。
EXILEファンのブログで読んだ。
夢で。
いつかまた誰か、
あるいは君の夢の中に僕がお邪魔するようなことがあるならば、
あの時支払い忘れた2円を置いていこう、とぼんやり考えては、また忘れたりしてみる。
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  1. 2014/04/16(水) 20:47:32|
  2. 大喜利
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